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向かい風は南風。追い風はビル風。4 たかなしみるく。

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東京都心の、〈片隅〉から。 【たかなしみるく×東京駅】
 
0.お盆休みは、東京駅から。
 
「ところでみるくさん、いつもの片隅の原稿はいかがですかね?」
 このWEB文藝誌 片隅 を仕切る敏腕編集長からのメッセージにも最早動じない。わかっている、そろそろ時期が時期であることもわかっている。わかっている、わかっているから、昨夜千葉に帰ってきて、ビール飲みながらWord開いて6行書いた。そして、6行書いて、重い生理痛を言い訳に寝た。明日の朝やるから寝るって言って寝た。「明日やろうはバカ野郎だ!」と、他人には言えるが、その台詞がどうも自分には向いてこない。それにしたって、過去3回分のエッセイのような、思い出を引きずり出して、捏ね繰り回す調子が出てこない。「もう、出て来ないなら、エッセイの志向ごと変える。」と言うのもありではないか……? と、自分に対して提案をする。よし、思いきってそうしよう。そうするしかない……。私だって常日頃暗いことばかり考えている訳ではないのだから、無理をしてまで暗い話を書かなくてもいいじゃないか。
 
 と、言うわけで今月はあっさりと、
『私の記憶に残っている、東京駅周辺のお店』 について書く事にする。
 

 
 ……と言うのも、現在私は通勤に東京駅を使っている。通勤のみならず、休日にご飯を食べに行ったり、物を買いに行く際にも、東京駅で降りて、銀座方面に歩いたりする。家は千葉で東京駅まで電車1本40分弱、今は23区内の片隅で家出生活をしたりしていなかったりするが、それでも東京駅まで1本で来れる位置に居るので、行動範囲は変わらない。なんならより一層東京駅に出やすくなった。このように週5日以上東京駅を使っていると、やはりウィークデーの雰囲気と、この夏休みの雰囲気の違いを嫌と言うほど体感できる。8月に入ってから、親子連れやキャスターバックを引く人の姿が圧倒的に増えた。特に盆休みに入った昨日は、それが顕著だった。所謂「帰省ラッシュ」だ。東京駅一番街のキャラクターストリートは今にもちびっこに占拠されそうだし、構内のグランスタの人気のお菓子屋さんには女性客の列ができ、銀の鈴前には旅行客用にと、地図が張り出されている。地下だけでも人の往来が激しいのだから、1階の新幹線ホームはもっとたくさんだろう。これだけ人が往来する東京駅周辺。そうか、私が最も足を運んでいる「観光地」は東京駅だろう……。そうだ。じゃあ、東京駅について書けばいいのではないか。
 ……ただこれも、私の日常の延長線上の、自分自身の備忘録的な話にならざるを得ない。然し、「嗚呼東京にはこんな場所があるんだなあ」と思って頂けたらいいと思う。但し、もう一度言うが、「あくまでも、私の日常の延長線上の、私の備忘録」っていうか、もう既に忘れてしまったことの方が多いのだが。
 

 
1.東京駅八重洲口  東京駅一番街  B1キャラクターストリート 
 
 言わずと知れた東京駅一番街のシンボル。JR東京駅地下八重洲北口を降りると目の前に広がるリラックマとキティちゃんとたまごっちとエトセトラ。ここを毎日通勤路に使用している。キャラクター専門店のほか、各テレビ局のアンテナショップが立ち並ぶ。勿論リラックマストアはじめとして、各店東京駅限定グッズが充実している。どれも可愛いのだが、その中でも私が最もかわいい! と思ったのが、「ポケモンストア」の「駅長ピカチュウ」だ。 
 ポケモンストアの目の前にこれでもか! と言う位に並べられた、駅員さんの格好をしているピカチュウを一目見れば、一匹ぐらい連れて帰りたくなる。ぬいぐるみやキーホルダーに関しては、何故かベストを着ているピカチュウと、ベストを着ていないピカチュウと2種類いて、着ていないほうが若干安い。一目見た時から「何時か1匹連れて帰ろう」と思うものの、その決断に踏み切れなかったのだが、今年の5月に1匹、しかもベストを着ている方の駅長を店から連れだした。これが今何処にいるのかと言うと、静岡県内にいる。(はず……) と言うのも、この〈片隅〉 内の「今日のいっぺん」を担当していらっしゃる添嶋譲さんと、その息子さんの3号くんに会いに静岡に遊びに行った際に、3号くんにお土産として、駅長ピカチュウを手渡した。いくら3号くんが文フリ会場でポケモンやっていたとしても、殊更に、文フリついでにポケモンセンターに寄って帰る親子であると言う事前情報があったとしても、もう小学校も6年生じゃ、キーホルダー渡してもどうなんだろうなぁという気もしたので、「これ、よかったら部屋に置いておいて」とやや下手に出ながら手渡した。明らかなポケモンセンターの袋に反応をしてくれた3号くんは、袋の空いた隅っこから中を見て、「あっ、駅長ピカチュウ。」と言ってくれた。その反応をどう受け取っていいのか分からなかったが、「これ、こないだ東京駅で見て、買うの悩んだやつじゃんね。」と添嶋さんが言ってくださったことに、ちょっと安堵した。「買うの悩んだ」ものを渡せたことが嬉しかった。……と、添嶋親子も一度目に止めた、東京駅限定駅長ピカチュウなので、かわいいこと間違いない。
 他にもこのポケモンストアに置いてあるグッズのデザインはどれもセンスが良くて、大人が持つのにもそんなに抵抗は無い。都内だと池袋にポケモンセンターメガストアがあるが、池袋駅からサンシャインシティまで歩くのも人の波に食われて大変だと思う。おまけにサンシャインの中の人口密度もとてつもない。確かにショップの規模に差はあるが、ちょっと小物を探す程度なら、東京駅で十分事足りると思う。
 

東京駅一番街  B1キャラクターストリート内 
ポケモンストア
■アクセス・JR東京駅八重洲地下中央口 下車すぐ

 

 
2.東京駅八重洲南口  100% chocolate cafe
 1.の「駅長ピカチュウ」に続き、人へのプレゼントの記憶で上げるなら、ここの店。
 まず、私はチョコレートが好きだ。チョコレートは好きだが、バレンタインデーの時期に、海外の有名ブランドのチョコレートをコレクションするほどの事ではない。確かにゴディバのチョコレートはおいしいと思う。でも、自分が日常コンビニで買って食べているチョコレートのブランドは何処だろうか、と振り返ると、それは断トツ「明治」だ。競合他社を差し置いて、私は圧倒的に「明治」のチョコレートを食べている。板チョコのブラックにしても、ストロベリー味にしても、チョコレート菓子にしても、気がついたら明治の商品を買っているし、ガルボを作った人は天才かと思う。そんな明治の京橋ビル1階にある、明治直営のこのお店が好きだ。
 「チョコレートワンダーランド」をコンセプトにデザインされた店内には、56種類のチョコレートが並んでいる。サイズは3cm四方で、味によって価格に差はあったが、1枚200~300円程だったかな。56種類をまた更に6カテゴリに分類して、カテゴリごとにコンセプトが異なる味になっている。友達や知り合いにプレゼントをする時に、「あの人にはどの味がいいかなあ」と云々迷いがいのある数だと思う。宝石のような粒のチョコレートではなくて、他の海外ブランド品のような見た目の華やかさには欠けるかもしれない。ただ、包装のデザインが良い。凄くポップでカジュアル。分かりやすい豪華さとかブランド感を出し過ぎないので、友達や家族やサークル内の知人に気軽に渡せるデザインだと思う。っていうか、明治のチョコですし。そして、カフェと言うからには、18席のイートインスペースが設けられていて、店内で「チョコロネ」や「ショコラドリンク」も頂く事が出来る。普通のコーヒーも1杯300円で、チョコロネも1つ320円だったので、まぁ、そんなに高くない。まぁ、そんなに高くない割に、コーヒー結構おいしかったし、コーヒーとセットで「今日のチョコレート」と言って、一片、試食用のチョコレートが頂ける。ここに来たのは結構前の話で、2014年のバレンタインデーの日だった。その日は雪が横殴りに降っていた。私は、家族にチョコロネを5つ買って、知り合いにおすすめのチョコレートセットを買った。因みにその日の試食用のチョコレートは「ストロベリーキッス」と言うバレンタインデー用の苺味のチョコレートだった。めちゃくちゃ私好みの味で、即自分の為に買って帰った。自分の為に。
 但し、どうしても場所が東京駅直結ではないことはネックだし、現にあの日は横殴りの雪に凍えそうになったし、他に京橋方面に用事がある方もそこまで多くないなあと思う。他に同じお店が東京ソラマチにもあった気がしたが、期間限定の店舗だったみたいで、今は京橋本店しかない。何かの折に、と言っているといつまでも行かないので、「今日は100% chocolate caféに行く!」と決めて足を運んだほうがよさそうだ。
 

100% chocolate cafe
■アクセス・JR東京駅八重洲南口より徒歩8分/地下鉄銀座線京橋駅(5番出口)より徒歩1分

 

 
3.東京駅丸の内南口 丸ビル1F Marunouchi Cafe × WIRED CAFE’
 
 最後にまたカフェの話をするが、2.と目的が違う。
 
 ――「まぁ困ったらWIRED CAFE’行けば大体のこと何とかなる」
 で、(個人的には )おなじみ、そんなWIRED CAFE’が丸ビルに出来た。
 首都圏であれば、どこかしらの大きな商業施設に入っているワイヤードカフェ。関西にもある。まず、ワイヤードカフェの説明をざっくりすると、「プロントがもっともっとお洒落になったやつ」とでもいおうか。昼の営業はタコライスやアボカドサーモン丼などのご飯ものや、パスタのランチメニューと、ケーキセット等のカフェメニューを提供してくれて、夜の営業はバータイム。各種お洒落なアルコールメニューが多く、いわゆる、「まぁ女子同士で困ったらここくればなんとかなるカフェ」である。Free Wi-Fiも使えるし、店舗によってはコンセントも挿せるし、何せ店内の内装もお洒落だし、落ち着けるソファー席もあるし……と、ノマドワーカーが欲しいものも揃っている。だからプロントがもっともっとお洒落になったやつ、なのだ。
 そう。ここは、東京駅周辺の癖、長居をするのにはいい場所であることに気づいた。
 まず、店内が広い。店内が広くて座席数もあるが、長居をしていてもあまり気兼ねする事のない空間になっている。そもそもWi-fi飛んでいるし、コンセントも言えば使えたのではないだろうか。長居をする為の設計になっているのだもの、それは長居をしてしまう。コーヒー1杯500円、ビール1杯600円弱なら、「まぁそんなもんだろう」価格である。だって此処は丸ビルだもの。
 それから、このカフェが地上にあること。これが大きい。何故かと言うと、地下に入るとWIMAXの電波が飛んでこないからだ。丸ビルでもKITTEでも、地下に入ればカフェは見つかるのだが、どうしても電波環境が悪い。プロントのもっともっとお洒落になったやつ、以前に、そもそも私はプロントが好きで、出来るならプロントで作業をしたい。
 
 先週の土曜日の話だが、私は東京国際フォーラム内の地下のプロントに入った。ここなら間違いなく電源があると言う理由で決めたのだが、如何せん地下なのでWIMAXの電波が入ってこない。それでも3時間ほどそこで作業はしていたのだが、アイディアの煮つまりと電波の無さに痺れを切らして、夕方6時半過ぎにそこを出た。まだ家に帰る気にもならず、どうしようと思って、「そうだ、ワイヤードでビール飲もう」と思って、ここを選んだ。1度ランチの営業時間にいもうとを連れてきたことはあったが、夜の営業時間に来たのは、この間が初めてだ。
 その時に知ったことだが、此処はバータイムの時間帯であれば、喫煙が出来る。三菱地所が管理する丸の内一帯の商業施設で煙草が吸えるところを探すのは結構大変なことで、私の恋人もよく「丸の内はほんっとに煙草吸えない」と散々嘆いている。そんななかで喫煙可能な飲食店と言うのは重宝するものだ。1度ランチの時間に来て、煙草が吸えないものだと認識していたので、バータイム時に「お煙草はお吸いになられますか?」と聞かれたときには驚いた。嗚呼この店大事にしよう…!と感動した。但し、吸えるのはバータイムの時だけだが。
 ただ、喫煙可能かどうかを差っ引いて考えても、駅から近いし、ソファー席に座れたらよりゆっくり過ごせるし、WIMAXの電波は飛んでくるし、ご飯も外れはしないし、「丸ビルの1階で、原稿書いている、俺」感に浸れるし……で、余りデメリットは無い。まだこの盆休み中に片付けないといけない作業が残っている。よーし、今後もお世話になります。そして、煮詰まったらまた場所を変えて、別の引きこもり先を見つけられたらいい。
 

Marunouchi Cafe × WIRED CAFE’
■アクセス・JR東京駅丸の内地下中央口から徒歩1分/東京メトロ丸の内線東京駅 直結/東京メトロ千代田線二重橋駅 直結

 

 
4.よく思う事 from 東京都心の〈片隅〉
 
 〈片隅〉 の読者の中心は、やはり九州地方の方なんだろうか。
 そう考えると、日本の誇るターミナル駅「東京駅」はずうっと遠い場所にあるなぁと思う。いくら此処が日本の中心だと叫んでも、その声は届かない。いや、そう叫ぶ気も起きない。「ああ、地方から、どうもすみません。お邪魔しますね」と言う気持ちで、今日も原稿を書いている。良い意味でのアウェイ感を持って、今日も、キーボードを打っている。
 もし、何処かの地方から何かの理由で東京駅に降りられる方がいたら、ちょっとでも私の事を思い出して頂けたら嬉しい。ただ、あの人の多さに、何かを思い出す余裕さえ失ってしまうかもしれない。それでも私はこの狭い空の下で、今日も生きるための労働をしているから。そして何処かのコンセントが差し込めるカフェで、ビールを飲みながらキーボードを打っているから。
 だって、東京駅に集まるのは、田舎者の数のほうが多い。何処のものでもない地方住民の寄せ集まりだよ。皆ちょっと頑張って、ここに居るだけだから、別にそんなに怖くもなくって、寧ろ結構、あたたかい場所だなって、思ったりしてる。

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たかなしみるく。

「感情の墓場を、詩と呼ぼう。」: note( http://note.mu/001203mm )、深呼吸する言葉( http://d.hatena.ne.jp/xxmilk69xx )
得意技は モテない・拗らせ・考えすぎの三拍子 エッセイ。