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九州発! 日本中が楽しくなるWEB文芸誌。美術館・博物館のイベント情報、気になる本や本屋さん、読みたい物語がきっと見付かります
kiryu

正義の国と人生 桐生悠々

 ゴオリキの「どん底」に現われた不思議な老人ルカの話によると、シベリアに「非常に貧乏で、惨な暮らし」をしていた或男が、「…2015/11/15

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わが思想の息吹 坂口安吾

「青鬼の褌を洗う女」は昨年中の仕事のうちで、私の最も愛着を寄せる作品であるが、発表されたのが、週刊朝日二十五週年記念にあ…2015/11/08

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猟人 津村信夫

 鉄砲打ちと云ふものには、よく、秋の汽車の中で出会つた。赤ら顔で、大柄な、さうして大抵、沈黙勝ちな人が多い。  三等寝…2015/11/01

hara

平和への意志 原民喜

 二つの特輯が私の心を惹いた。知識人戦線(個性七月号)と平和の擁護(近代文学八月号)と、これは近頃、最も意義ある特輯だつ…2015/10/25

kenji

圖書館幻想 宮澤賢治

 おれはやっとのことで十階の床(ゆか)をふんで汗を拭った。  そこの天井は途方もなく高かった。全體その天井や壁が灰色の…2015/10/18

miyamoto2

透き徹る秋 宮本百合子

 空を、はるばると見あげ、思う。何という透明な世界だろう。  晴れ渡った或る日、障子を開け放して机に向っていた。何かの…2015/10/11

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英雄の器 芥川龍之介

「何しろ項羽(こうう)と云う男は、英雄の器(うつわ)じゃないですな。」  漢(かん)の大将呂馬通(りょばつう)は、ただ…2015/10/04

sasaki

芋 佐左木俊郎

 福治爺は、山芋を掘ることより外に、何も能が無かった。彼は毎日、汚れた浅黄の手拭で頬冠りをして、使い古した、柄に草木の緑…2015/09/27

uemura

母への追慕 上村松園

 父の顔を知らない私には、母は「母と父をかねた両親」であった。     私の母は二十六の若さで寡婦となった。  人…2015/09/20

tsubouchi

十歳以前に読んだ本 ――明治四十五年六月『少年世界』の為に―― 坪内逍遥

 私は過去を語るのが強ち嫌ひといふ訳でもないが、前へ向つてする仕事が比較的忙しかつたので、曾て昔話をしたことが無い、随つ…2015/09/13